a の発音について
参考書・教科書・授業の中には、
a = 日本語の「あ」
と教えているところもあるようです。
たしかに日本語の「あ」で代用しても通じるので実際的には問題ないのですが、厳密にいうと日本語の「あ」とは異なる音です。
中国語の「a」は日本語の「あ」よりも口を大きく開けて発音します。
日本語の「あ」と聞き比べると分りますが、音色がやはり違います。
うまくいえませんが、顎を大きく下げる感じで発音するとうまくゆきます。
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アタマで知り、カラダで覚える中国語の発音
こちらの参考書に詳しく書かれています。
中国語発音についてさらに探す>>
これから中国語を始める新入生へ
先日、新入生と面会しました。
世間のイメージと異なり、いかにもガリ勉という感じの学生は少なかったように思えます。
それはいいとして・・・
何人かに、なぜ中国語を選んだのか、と尋ねました(僕は中国語です)。
返って来る答えは、全て次の2つに大別されました。
その1:漢字だけで簡単そう。
その2:将来中国が発展しそうだから。
悲しいかな、
「興味があるから」といった純粋な動機は一言も聞かれなかったのです。
現実を言いますと、
「その1」の理由で選んだ人は一生発音・聞き取り・会話ができず中国語を嫌いになり挫折します。
「その2」については「その1」よりマシですが、継続は極めて困難となります。
同じ漢字を共有しているとはいえ、外国語です。
音韻体系・文法・語彙・語感は差異があるのですから、
真剣に向き合わなければ、第二外国語の授業は苦痛となり、成績で苦労するでしょう。
東大文系の場合は、
第二外国語と最低2年間は接することになります。
しかも授業は最低でも週3コマあります。
せっかく学習するのですから、
しっかり学びたいものです。
外国語の学習についていえば、
無粋な動機はほとんど挫折します。
新年度早々こんな説教めいた話はしたくないのですが、
こんな話をあえてしたのは、
あまりに安易な動機で中国語を選び、
挫折して苦しんできた同級生を数多く見たからです。
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中国語 発音 有気音と無気音の違い
ここも非常に誤解の多いところです。
よく、有気音=清音,無気音=濁音と思いこまれている方がいらっしゃいますが,有気音・無気音とは日本語の清音・濁音とは全く違う概念によって区別されたものです。一部の例外を除き,中国語に濁音は存在せず,有気音・無気音ともに(あえて日本語の音韻の概念で言えば)清音なので,清濁によって有気音・無気音を区別するというのは,完全な誤りなのです。
有気音・無気音は,中国語では「送气音」「不送气音」ということからわかるように,(やや不正確な説明ですが実用的にいえば)有気音は,イキが音声として現れるほどイキを強く出す音です。一方,無気音はイキがないと感ぜられるほどいわばイキを殺して出す音です。
ですから,例えば,
ji
という音は,「ジ」でも「ヂ」でもなく,(不正確を承知で日本語で言うのなら)「チ」なのです。qiも「チ」です。
ただこれだと区別がわからないので,イキの音をhという記号を使って表わすことにしましょう。
そうすると,(不正確を承知で日本語の音韻で無理やり表わすのなら,)
ji:チー
qi:チhイー
となります。
最近になって,コミュニケーション重視の名目で濁音でもいい,という人が少なからず増えています。このような姿勢はあまり感心できません。中国語は濁音を多用すると,どうも若干の違和感があり,ぎこちない中国語から脱せなくなります。それこそ,いい加減な中国語です。
中国語発音 日本人の苦手な単母音(韻母)
日本人の中国語入門者を悩ませる発音ですが,日本人はとりわけ次の単母音(韻母)が苦手とされています。
e,u
eは,日本語のウでもなくオでもなく,また英語の「曖昧母音」とも違います。教科書的に言えば,口を左右に開き,ウとオの間くらいの音を出す,ということになりますが,こう説明すると大半の人は日本語の「ウ」「オ」になってしまいます。とはいえ,日本語での説明が難しく,実際的な説明としては,「エ」の口の構えのまま「ウー」と「オー」の間の音を出します。舌を奥に引き,喉の奥から声が出る感じがすれば,大体OKです。発音をする時,日本人は口の動きが小さく,そのために往々にして不明瞭になりがちですが,口は大きく動かし,いわば極端に発音しましょう。だんだん慣れてくると,発音がいい加減になることがありますが,普段から極端に練習していれば大丈夫です。
uは,日本語の「ウ」ではありません。多くの日本人は,uを「ウ」で代用する傾向があり,実際僕の同級生もそうですが,口の形が全然違うので,しっかり練習しましょう。この音は,多くの日本人ができているつもりの音で,実は一番苦手な音だったりします。これを改善するだけで随分中国語らしくなります。中国語のuは,唇を丸め突き出し,舌を奥の方,下の歯茎の奥の方に固定して発声します。暗い音色になります。日本語でいうのなら,むしろ「ウ」よりも「オ」に近いです。(相対的に近い,という意味で,音は全然違いますので,「オ」で代用しないでください。)
中国語の文法は簡単?
発音は難しいが文法は簡単
中国語入門者がよく耳にすることばです。
果たして本当でしょうか。
例えば,補語の多さから見ても、日本語との違いは明らかであり,
一般的に言えば,外国語学習の障壁となるのは母国語との差異です。
それでもなお,「簡単」といえるのでしょうか。
次のような誤りや不自然な文は入門者・初級者によく見られます。
1.我结婚她了。
2.这个菜比那个菜很好吃。
3.她游泳得很快。
4.他留学了两年。
5.我的帽子被大风走了。
他にも,よくある間違いというのがありますが,きりがないので今回はこの5つのみ取り扱います。
1.日本語だと「彼と結婚する」なので一見良さそうですが,まず「結婚」という熟語の構造を見てみましょう。「婚ヲ結ブ」と訓読みできるように,V+O(Vは動詞,Oは賓語=目的語)の構造になっており,既に賓語が存在します。中国語で二重目的語をとる動詞は非常に少なく,なおかつ二重目的語をとる場合でも,代名詞が間接目的語の位置にくることはまずないので,「我结婚她了」にはかなり無理があります。では,どうすればよいのでしょうか?意外と中国語と日本語は感覚的に似ている部分もあります。日本語でも「彼”を“結婚する」とは言いませんよね?「彼”と“」ですよね。だから,介詞の「跟」や「和」を使って,「我跟她结婚了。」とすれば一件落着です。
2.比較文において,形容詞の前に副詞の「很」を置くことは一般的に不自然です。「这个菜比那个菜好吃。」これで十分です。程度を強調したい場合は,「这个菜比那个菜好吃多了。」などとすれば問題ありません。
3.本質的には1と一緒です。游泳という動詞も「V+O」の構造になっています。「泳ぐ」=「游泳」と覚えることが多く,また二字間の結びつきが強いので誤解が多いのですが,本質的にはVO構造です(二字間の習慣的結びつきが強いものの,本質的にそれぞれ別の品詞であり,文法上切り離して考えるべきものを離合詞と言います)。「得」を使って程度や様態を表現する場合,常に「V+得+形容詞など」の形でなければならず,間に賓語を入れたりすることはできません。賓語を表わしたい場合は「V+O+V+得+形容詞など」とまず動詞+賓語を述べてから,その次に程度や様態を表わす,というようにしなければなりません。日本語では,わざわざ「彼は中国語を話すが,話すのがうまい」などと繰り返す必要はないのですが,中国語ではその必要があるので要注意です。ただし,この場合,最初に出て来る動詞を省略して,「O+V+得+形容詞など」ということもできます。ですから,「她游泳游的很快」とすれば解決します。
4.これも離合詞です。数量を表わす語句は普通,動詞と賓語の間に置かなければなりません。ですから,「他留了两年学。」としましょう。なお,「留学して(今)2年になった」という場合,アスペクトの「了」だけではなく新事態の発生・状況の変化を表わす語気助詞の「了」を使って「他留了两年学了。」とする必要があります。
5.中国語では動作と結果はわけて表わします。単に「どこかに行った」だけではなく,「どのようにして」というところまで述べる必要があるのです。一般的に結果補語単体では用いることはあまりありません。従って「我的帽子被大风吹走了。」と表わす必要があります。
このように見ればわかるように,文法を疎かにすることはできませんし,(僕の能力が低いだけかもしれませんが)決してみんなが言うように「簡単」ではないと思います。以上の例は,比較的解決しやすいものですが,教師でも迷うような微妙な例というのも存在します。
発音が大事なのはもちろん,文法も軽視せずしっかりと学習することが大事だと思います。
発音よければ半ばよし
「発音よければ半ばよし」
という言葉があるように,
中国語の学習においては,綺麗な発音を習得することが極めて重要です。
例えば,これは僕が中国に行った時の話ですが,
ある日本人が中国人に対して
「我是日本人」と言いましたが,その中国人の方はよくわからなかったようです。
というのも,彼の実際の発音は,Wo3 xi4 li4ben3ren2 に近かったのです。
shiという発音,多くの日本人はxiと言ってしまいますが,中国の方の感覚からするとこの2つは全く別物です。
むしろ,中国の方の感覚では(必ずしも全員はそうとは言いませんが),shiはxiよりもsiに近い,と感ぜられるようです。
もう一つ例を挙げましょう。
nとngについてです。
この区別は取り分け多くの日本人学習者にいい加減に扱われている分野です。たしかに,多少いい加減でも誤解されることが少ないのですが,重大な意味の差異を生ずるものも中にはあります。
例えば,この2つの文を見てください。
Shang4 chuan2 ba.
Shang4 chuang2 ba.
nとngのみの違いです。
では漢字に直してみましょう。
上船吧。(「船に乗りましょう。」)
上床吧。(「床につきましょう。」「寝ましょう。」場合によっては「セッ○ス」しましょう。)
ある笑い話があります。ある日本人男性が友人の中国人女性を公園に誘って一緒に船に乗るつもりでしたが,(発音上は)「去公园上床吧」と言ってしまい恥をかいたそうです。
nとngを綺麗に発音しわけることは疎かにはできません。
やや余談もありましたが,日本人の耳からするとほとんど同じなのに,通じない,ということもないとは言えないのです。
近年,コミュニケーション重視という名目で(つまり,通じればいい,という理由で)正確かつ綺麗な発音を軽視する向きも現れはじめましたが,僕はコミュニケーション重視だからこそ正確かつ綺麗な発音の修得を心がけねばならないと思うのです。
「発音よければ半ばよし」という言葉を最初に掲げましたが,日本人にとっては発音こそが肝要であり,発音がいい加減だと学習効果もかなり薄くなると僕は考えます。
はじめに
中国語の学習を始めてから1年になりました。
大学の先生方や友人、同級生、中国の「女朋友」(日本語で言うと「彼女」の意味です。)「朋友」から学ぶことは非常に多く、実りある1年でした。
初めてまだわずか1年、
僕にとってはようやく中級レベルの学習が可能になった時期ですが、
気づいたこと、「発見」したことは多く、
中国語というものは、世間で想像されているような「中国語」とはかなり違った姿であることを認識しました。
隣国の言語であり、日本語と同じく漢字という共通の基盤の上にあるせいかもしれません。
これほどに身近であり、これほどに誤解が多い言葉は他にないと思います。
よくある俗説の例:
「漢字だから簡単」
「読めればよい」
「日本人訛りの発音でも通じる」
「発音は難しいが、文法は簡単」
「中国語とは北京語である」
このような俗説は多く、このような認識のためにうまくゆかず、初級段階で学習を「放棄」される方も少なくありません。
このサイトは、まず世間で想像されているような「中国語」とは異なる、もう一つのことばの世界としての中国語像、より正確な像を描くことを目的としています。
次に、正確な認識があったとしても、初級者の学習を困難にしている現実がもう一つあります。
発音、文法に関する説明が先生方や書籍によって差異があり、それゆえに混乱してしまう、或いは誤った知識が身についてしまうという現実です。
英語はある程度教育の基準が確立されていて、それほど混乱がないのですが、中国語については基準が確立されるに至っておらず、学べば学ぶほどわからなくなるという負の連鎖に陥ってしまう側面があります。
最近、中国語の学習者が増え、徐々に良質の参考書・教科書の出版が増えつつありますが、やはりまだ十分でなく、何十冊も見た挙句役に立ったのは数冊だった、ということもあります。
そこで、ここではより誤解が少なく、理解に難くない発音や文法、表現に関する説明を積極的に載せて行こうと思います。
ここまで、言語のみに焦点を当てて話してきましたが、言語というのは文化の一部であり、言語はそれを実際に使用している人々の文化・思想・歴史に直結します。よって、単に教科書に載っているようなことだけを学んでも不十分です。あらゆる言語表現の背景にはそれを使っている人があり、当然文化なり、思想なり、歴史が関わってくるのですから、言語を習得するのならばそれらに関する理解も必要不可欠と考えます。
ですから、ここでの話題を中国「語」に限定するつもりはありません。むしろ、言葉を契機として、幅広くそれを使っている人々(わかりやすくいえば「中国」)を理解する、そういうことをここでは目指しているとご理解頂ければ幸いです。
平成22年3月22日
KOHKI
